映画や音楽は大きなスクリーンやスピーカーで臨場感たっぷりに楽しみたいもの。ホームシアターやオーディオルームがあれば、いつでも自宅でリラックスしながら映画鑑賞、音楽鑑賞が堪能できます。でも、気になるのは「音」のこと。リビングや寝室にいる家族や、ご近所に気兼ねなく楽しむための防音対策について知っておきましょう。
音には、話し声やテレビの音のように空気中を伝わり、窓や換気口から外へ漏れてしまう「空気音」と、足音や物を落としたときの音といった床や壁などを伝わる「固体音」があります。ホームシアターやオーディオルームのスピーカーからの音には、建物の隙間から漏れる空気音だけでなく、床や壁などからも響く固体音もあります。
では、どれくらいの大きさが出ていると人は「騒音」と感じるのでしょうか。1998年に環境庁(現・環境省)が定めた基準値は、昼間55dB(デシベル)以下、夜間45dB以下が快適に暮らせる音の環境。dB値が高くなるほど音は大きくなるので、この基準を超える音が外に伝わる場合は要注意です。スピーカーの音の大きさは、映画のタイプや曲目によって違いますが、音楽ソフトや大音量の映画では80dB~90dBといわれています。防音対策をしていない部屋の場合、マンションやアパートでは騒音として隣や上下の住人に迷惑をかける可能性があると考えておきましょう。一戸建ても外への音漏れがあります。
映画も音楽も気をつけたいのは重低音。特に映画の効果音や音楽の場合、テレビドラマよりも重低音が強調されています。爆発音や銃撃音が多用された戦争映画やアクション映画などを、低音域を再生するウーハー付きのスピーカーシステムで鑑賞する場合、音だけでなく、スピーカーの振動が壁や床を伝い、音を発します。
木造よりも鉄筋コンクリート造のほうが、そして、壁が厚いほうが遮音効果が高くなります。ですから、壁の厚いマンションのほうが安心。しかし、部屋の配置やスピーカーを置く位置など、さまざまな条件で状況は違ってきます。隣戸との境の壁ぎわにスピーカーを置けば、階下だけでなく、隣にも振動音が響きます。また、映画や音楽を大音量で気兼ねなく楽しむなら防音対策は必須。また、部屋の中で音が飛び交う反響音を減らすためには、室内の吸音にも配慮する必要があります。