上記のアンケート結果を見ると、およそ半数以上の人が「住み心地(部屋のキレイさなど)」をその理由に挙げています。具体的なコメントを見ていくと、その真意が見えてきます。
「それまで住んでいた家が、築年数20年以上でとても古くて汚れていたので、新しい物件に憧れていました」
「ずっと団地住まいだったので、やっぱり住むなら新しい新築にあこがれていたので」
「その前に住んでいたのが古い所で、水まわりなどの傷みが激しくて、カビ臭いのが気になったので」
「以前は築35年以上のダストシュートのある古い公団に住んでいたため、配管や隙間が多くゴキブリが出てとても嫌でした。現在は築浅でゴミ捨て場が離れていることもあってか、そういった不安がなくとても良いです」
このように、そもそも部屋探しをするきっかけの多くは「現状不満の解消」です。そのため、部屋探しをする人にとって基準となるのは、自分が「今」暮らしている部屋のクオリティです。その基準で部屋を探すため、自然と気に入る物件は新築や築浅になるのです。今よりも新しい物件であれば、そこに引っ越す「価値」が必ず生まれるのです。
また、ほかにも以下のような意見がありました。
「不動産屋さんに物件をいくつか見せていただいたのですが、同じ賃料なら少し立地が悪くなっても新築物件のきれいさに引かれました」
「新婚時に同じ間取りのマンションで、駅から徒歩5分の築12年物件と駅から徒歩15分の新築物件を紹介されたが、前の住人の生活の匂いがないことと、今後長く住むことを考えて新築物件にした」
「不動産屋さんと物件を3件回りました。古い順に回ったので、どうしても最後の新しいところがよく見えました。全部の部屋に窓があって明るかったので、結果として良かったです」
「中古の物件も見学しましたが、築年数と価格が見合った物件があまりなく、それだったら少し高くでも真新しい新築がいいね、ということで選びました」
不動産会社にとって、新築や築浅物件の案内については「物件が営業してくれる」という言い方をすることがあります。つまり、営業担当があれこれセールスする必要がないくらい、部屋の見た目だけでも十分説得力があるということなのです。